はじめに
皆様はこちらのモンスターに見覚えがありますでしょうか。
名前はフェザーシーフ。風1でsize1、女系と剣系と人型を持つモンスターです。
「こんなの居たっけ?」となる方が大半かと思います。勿体ぶらずネタバラシをしますと、このモンスターはサモンメイト攻略wiki設立初期のエイプリルフールネタに登場する架空のモンスターなんです。
今日くらいは、そんな幻のモンスターについて思いを馳せる日としましょう。
概要
フェザーシーフは今から12年前、2011年のエイプリルフールに投稿された2つの記事が出典です。
掲載当初はWikiのトップページからリンクが貼られていたものの、今は削除されているためメニュー等から辿り着くことは出来ません。
各記事は現在Wiki内検索を使用するか、ページ一覧から移動することでのみ閲覧が可能です。
ページ内容
肝心のページ内容ですが、フェザーシーフのモンスターページと出現時のイベント紹介のページに分かれております。
モンスターページは他モンスターと同じフォーマットで作られており、後日エイプリルフールネタである旨が追記されるまでは実在のモンスターと見間違えるほどリアルなページでした。
出現時のステータスに加えてWiki独自の評価基準である成長率まで記されており、かなり緻密な作り込みが見られます。当時のWiki編集者陣の熱意が伺えますね。
しかしこのフェザーシーフ、肝心な点はその入手方法にあります。
ページ内の入手場所の欄を見ると「北の洞窟(イベント)」とあり、別ページへのリンクが施された形となっております。
これこそがエイプリルフールネタ第二の記事、「新モンスターについて」へのリンク。
編集者のおふざけが大量に盛り込まれた、時代を感じる良ページです。
公開当時のページを引用すると、まず『シフトアッブネット様から新規モンスターを追加したとの連絡をメールで頂いたので画像UP。』という驚くべき文言から始まります。
シフトアッ「ブ」ネットという微妙な誤植がされており、怪しい序文も含めてこの時点で警戒心を持たせる巧妙な仕掛けです。
その下には3行の改行があり、ドラッグすると……
『サモンメイトを製作しているのはシフトアップネットです。
シフトアッブネットは制作に関与していません』との文章が。
これは当時の攻略Wikiや個人ホームページなんかで頻出した、いわゆる隠し文字というもの。背景と同じ色の文字で文章を書くことで、ドラッグしなければただの空白行に見えるという技法です。
ちょうどこんな感じですね。
最近だと殆ど見かける機会はありませんが、SCP等一部の創作コミュニティなんかでは未だに見られたりします。
内容の話に戻りますが、ページはフェザーシーフを入手したと思しき画像に続きます。
ネタ全開の名前欄を横目に読み進めると、いよいよフェザーシーフの詳細へ。
モンスターページでも触れられていた基本性能が記され、その下には肝心の入手方法が載っています。その内容が以下の通り。
1. あらかじめ北の洞窟のボスを倒して王家の秘宝を回収し、オシロ城の王様と話しておく必要があります。
2. 北の洞窟で王家の秘宝があった宝箱を調べようとすると戦闘になります。(ギガオーク×2)
3. 戦闘終了後に宝箱からフェザーシーフが出てきて戦闘になります。戦闘後100%仲間になります。
1体以上は仲間になりません。逃したり吸収したりすると回収できないので注意
かなり見覚えのある文体。このワザップ感が堪りません。
その下にはまたしても隠し文字が用いられており、編集者さんの自己紹介が入ります。
曰く、この記事は当時のWiki管理人であった風従陰氏によるもの。
2008年頃から様々なWikiの管理を務められていた御方であり、サモンメイトに関してもかなり優れた知識を持たれていた模様。当時の情報だとグール推しだそうです。
そしてページ最下部には『とりあえず人気投票結果発表くらいまで残しときます』とあります。これは恐らく同Wiki内「第2回サモンメイト人気モンスター投票」のこと。
1600以上の票を集めたサモンメイト史上最大規模の人気投票であり、小学生だった筆者はカオスドラゴンに入れたような気がします。
ちなみに投票ではフェザーシーフが5位にランクインしており、架空ながらかなりの人気を博していたことが分かります。
色々と脱線しましたが、とにかくここまでがエイプリルフール企画「フェザーシーフ」の全容です。
こういうノリが大好きなので今更取り上げさせて頂きましたが、今見返すと本当に懐かしいばかりですね……
実戦考察
ここで記事を終えても良かったのですが、ここは攻略ブログらしい考察を一つ。
「フェザーシーフが仮に実在していたら?」という予想を立ててみたいと思います。
まず基本的な情報をおさらいしましょう。
属性は風1で系統が剣系女系人型系、Size1のモンスターです。
修羅の剣が装備できることから物理アタッカーとしての性能は上々。Size1であるため取り回しも良く、見た目にはなかなか便利そうなモンスターと言えます。
続いて性能、すなわちステータスを見ていきましょう。
成長率から概算した値がこちらになります。
微妙ですね...…
役割としては速攻物理アタッカーなので耐久の脆さは軽視できますが、肝心のATKがそこまで強くもないのがネックです。
とりあえず他のsize1剣系との比較をしてみます。
とは言ったものの、フェザーシーフはSize1剣系。
比較の土俵に上がるのは1体で十分でしょう。
完全劣化かと思いきや、AGLだけはキングアスラを上回っております。
これは……と思い、詳しく調べてみると目を疑う事実が。
なんとこのフェザーシーフ、剣系モンスターで最速に位置しています!
こうなると役割も自ずと決まってきますね。先制を取って4回攻撃で相手の主力モンスターを確実に打ち倒す活躍が期待できます。
さらにこのフェザーシーフ、一応イベントで入手可能なモンスターであるため恐らく対人戦でも階級を問わず使用可能です。
実在すれば、総合値1200代のモンスターが対人戦の主力として使われる稀有な光景が見られたかもしれない。フェザーシーフ、意外と奥深いモンスターでした。